YC サム・アルトマン氏による生産性を高めるアドバイス
Posted on 2018-04-08(日) in Productivity
Y Combinator の代表サム・アルトマン氏による「生産性」と題されたブログ記事。弱冠三十代にして Y Combinator の代表を勤め、OpenAI の創立に関わるなど、本人も書いているように、生産性が非常に高い人物の一人であることは言うまでもありませんが、生産性を高めるためのアドバイスが詳細に書かれています。
本人の生産性や哲学等については、以前のインタビュー などでも断片的に語られていますが、こういってまとめて書かれていると、生産性を高めるための本人の考え方や試行錯誤がよくわかります。
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はじめに
- 「複利効果」は金融だけではなくキャリアにも魔法のような効果がある。
- 小さな差であっても50年間積み重ねることで大きな差に。生産性を高めることには意義がある
- 10%多くの仕事をこなし、毎日1%ずつ向上すれば、そうではない人との差は大きなものに
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何に取り組むか
- 生産性のために最も重要なのは、正しいことに取り組むこと
- 「すごい人」は、他の人にはない、世界に対する信念がある
- 自分が話す人皆と同じ考えなら、それは悪い兆候
- スケジュールの中に、考える時間を残す。本を読む、面白い人と時間を過ごす、自然の中で過ごす、など
- 自分が好きなこと、大切だと思うことに取り組む
- 他の人も、自分の好きなことをする時に最も生産性が高い。委譲する時はそれを意識する
- 自分の好きではないことを長い時間やっていることに気づいたら、転職を真剣に考える
- 頭がよく、生産的で、楽しく、ポジティブな人と時間を過ごす。それとは反対の人は避ける
- 近道は無い。大切なことを成し遂げるには、賢く、かつ、一所懸命に働く必要がある
- 優先順位
- リストを作る。その年、その月、その日ごとに、達成したいことを書き出す
- 分類や作業量の見積もりなどはしない
- 毎日、進められる仕事から先に取り組むと、勢いがつき、どんどん物事を成し遂げられる
- 断固として断る。失礼なぐらいメールの返事が素っ気ない
- 会議はたいてい時間の無駄。ただし、新しい機会との出会いのため、スケジュールに余裕を残す
- ほとんどの会議は、15〜20分、もしくは、2時間がちょうどいい時間。デフォルトが1時間なのはおかしい
- 一日の各時間に対して、違うタイプの仕事をする。自分は朝が一番生産的な時間なので、スケジュールを入れない
- 「生産性ポルノ」の罠に落ちない。生産性を完ぺきにしようとするあまり、正しい問題に取り組んでいるかどうかを忘れがち
- 身体的な要素
- 人によって、何が最も効果的かは違う。実験する
- 第一に睡眠。睡眠トラッカーが役に立つ
- 気温が低く、暗くて静かな部屋で寝る。敷布団にこだわる。旅行の時は耳栓とアイマスクを使う
- 旅先で眠れない時は、睡眠薬を少量使うことも
- 朝、メールチェックをするときに LED ライトを浴びる (オススメ)。
- 第二に運動。筋トレ1時間を週3回+高強度インターバルトレーニングを時々
- 第三に栄養。朝食を抜くミニ断食スタイルが自分に適している
- 砂糖の多い食事、辛すぎる食事は避ける
- 朝と朝食後にエスプレッソ
- ベジタリアン。ビタミンB12、オメガ3、鉄、ビタミンD3を補充
- その他
- オフィス:自然光、静かで割り込みのない環境
- 頻繁にしなければいけない雑事はソフトウェアを書いて解決。タイプ速度を上げる。キーボードショートカットを学ぶ
- 何もする気になれない期間(1〜2週間)がある。そのうち治る。ネガティブにさせる場面や人々を避ける
- 少し仕事を引き受けすぎるぐらいがちょうどいい。物事を効率的にこなせるようになる。あまりにもたくさん引き受けるのは避ける
- 家族や友人をないがしろにしない。幸せ度で言うとトータルでマイナスになる。自分の好きなことや、頭を整理してくれることもないがしろにしない
- 最後に
- 間違った方向に生産性だけを上げても意味がない。何に取り組むかについてもっと考える
英語 | 日本語 |
---|---|
compound effect | 複利効果 |
conviction | 信念 |
morale | 士気 |
delegate | 委譲する |
belittle | ばかにする、軽く扱う |
momentum | 勢い |
terse | そっけない |
optimize | 最適化する |
optimal | 最適な |
controversial | 賛否両論ある |
fasting | 断食 |
overcommit | 仕事などを引き受けすぎる |