モチベーションがありすぎるあなたへ

Posted on 2018-11-11(日) in Productivity

モチベーションはあって、良いアイデアがすぐ浮かび色々なことに挑戦するのだが、すぐに他のことに興味が移ったりして何一つとして成し遂げられない・・・。自分も含め、こんな症状で困っている方も多いのではないでしょうか。少し前ですが、ブロガーの Scott Young 氏が記事を書いていたので、抄訳とともに紹介します。


元記事: モチベーションがありすぎるあなたへ

自己啓発の分野では、多くの人が、モチベーションが足らなくて困っている、という見方が主流だ。ただ、自分が見る限り、そのまったく逆の症状、つまり、モチベーションがありすぎて困っているという人が少なからず居るようだ。つまり、やりたいことが多すぎて、一つのプロジェクトをやり遂げることが困難であると感じる人たちである。

このような人たちは、

  1. アイデア、シナリオ、目標を考えるモチベーションが過剰にあり、
  2. このアイデアのために必要なことを実行するモチベーションが普通、もしくは少ない

という特徴を持つ。このような人に「モチベーションの上がる本」などを読ませても、全く効果がないどころか、逆効果になってしまう。

自分がモチベーション過剰か知る方法

自分がモチベーション過剰かどうか、どうやったら分かるだろうか?

私もそのような性格を持つ一人なので、同じ性格を持つ人を見ると割と簡単に分かる。新しいプロジェクトや、旅行先、ライフハックなど、新しいことに対してすぐに興味を持つが、深くコミットせずに新しいプロジェクトにすぐに飛び移るので、ひどい結果しか生まれないのだ。

あたながこのような性格の持ち主か知るためには、以下の質問をしてみると良い。あなたの人生の中で、一度は目標を立てたが失敗してしまったことについて、それが、単純に興味を失ったために失敗したのか、他にもっと優先順位の高いことをやり始めたため失敗したのか、自分に聞いてみることだ。後者が多いのなら、あなたはモチベーション過剰の可能性が高い。

新しい目標にスイッチするということは、一回一回を見れば、正しいことのように見える。ただ、これがパターン化すると、自分に対して悪影響が出始める可能性がある。

モチベーション曲線

モチベーションは、心の中ではおそらく単一の状態ではなく、複数の状態が競争している状態なのだ。モチベーションの量を曲線として描いてみると、おそらくこの図のようになる。最初はだんだん強くなり、あるレベルを超えたところで実際に行動に移す。行動を続けるとしばらくモチベーションは持続するが、そのうち普通のレベルに戻ってしまう。

運が良ければ、プロジェクトを続けるためのモチベーションレベルをもっと低いところに持ってくることができるかもしれない。

たまには、モチベーションを一時的に上げることができるかもしれない。長期的なプロジェクトではこれはほぼ必須だと言える。ただ、これは安定しておらず、やはりプロジェクトを続けるためのモチベーションレベルを下げるという点の方が重要だ。

私はこれまで、習慣化、目標設定、プロジェクト計画などについて色々と書いてきたが、基本的なアイデアは、プロジェクトの最初にはモチベーションが過剰なのを利用して、プロジェクトを長期的に続けるために必要な行動が、モチベーションレベルよりも低いところにあるように、計画的にプロジェクトを設計するというものだ。

複数プロジェクトの場合

上のグラフは、プロジェクトや目標が一つしかない場合だ。複数のプロジェクトや目標に対するモチベーションがあるとき、事態はもっと複雑になる。新しいプロジェクトが、古いプロジェクトのモチベーションを奪うためだ。これによって、古いプロジェクトのモチベーションは急激に下がってしまうことになる。

あなたがこのような人なら、曲線の形は同じだが、同じ時間・努力・情熱に対して競合関係にある複数のモチベーションがあることになる。こうすると、新しいアイデアを求め、モチベーション的には中立的にある「必要な行動をする」ということをないがしろにする、という終わりのないサイクルに陥ってしまう。

モチベーション過剰にどう対処するか

私にとって、このような傾向に対処するために最も効果的だった方法は、単一プロジェクト法と呼ぶものだ。これは、同時に実行するのを、優先度が最高の一つのプロジェクトだけに制限するという方法である。そのプロジェクトが完了するまで、他のことは全て二の次、メインのプロジェクトを置き換えることは絶対にしないというものだ。

実際には、仕事での目標、プライベートの趣味の目標など、人生には複数の、通常は競合関係にない目標がある場合がある。このようなプロジェクト間の区別は曖昧になりがちなので、実際には簡単ではない場合もある。

ただし、このような場合を考えても、単一プロジェクト法はまず試すには良い方法であると言える。メインのプロジェクトが一つしか無いと想定して計画を立て、この方法を使い新しいプロジェクトに浮気してしまう傾向を防いでしまおう。

もう一つ、モチベーション過剰に有効だと思う方法は、プロジェクトを実際に始めることなく計画することだ。新しいアイデアを思いついたら、それを忘れたくないと思うのは自然なので、時間やエネルギーを向ける前に、今のメインのプロジェクトが終わったら、それをどう実行するかを計画するだけにしておくといういうものだ。現実にどんな行動をしなければならないかを考えるだけで、移りたい衝動を緩和できる可能性が高い。

最後に、短期的な、目標の低いプロジェクトを設定するというのも、実際にはほとんど使われていないが有効な方法だ。新しいプロジェクトに急に興味を持つ傾向が自分にあると分かったら、何年もかかるプロジェクトではなく、例えば一ヶ月で完成できるプロジェクトを選ぶというものだ。

小さいプロジェクトでは目標が低すぎる、と思うかもしれない。だが、人生の色々な目標は1,2ヶ月興味を続ければ十分効果のあるものが多い。例えば、1か月間だけ、運動するという目標に対して頑張ったなら、その後は習慣を続けて他の目標にシフトしても良い。

この「小さいプロジェクト法」と、モチベーション過剰な人との違いは、はじめから短期目標であると分かっているので、それに合わせて計画できるという点だ。一時的な感情でプロジェクトに失敗してしまうのと違って、例えば運動の目標が1ヶ月だけだと分かっていれば、それが終わった後も、バックグラウンドの行動として継続できるように計画できるかもしれない。

最後に。モチベーション過剰というこの欠点も、見方を変えれば長所でもある。何かを達成するやる気があるということだ。ただし、人生を豊かにすると自分が信じている衝動をコントロールするという、直感に反することが必要になる。もしこれを実際に実行できれば、モチベーション過剰に任せて新しいアイデアを常に追い求めて、実際にやり遂げるということをしないという状態に比べて、あなたの未来はずっと明るくなるだろう。


いかがでしょうか?私自身も、自分のこの「モチベーション過剰」にずっと悩んでいたので、この Scott Young 氏の記事には非常に共感するところが多かったです。

個人的には、Young 氏のアドバイスに加えて、自分にとって以下の方法が非常に効果的だったと思います。

一つは、Young 氏の「短期的な、目標の低いプロジェクトを設定する」というアドバイスに似ていますが、目標を極端に低いところから始め、だんだんと高くしていく、という方法です。始めは、1週間で終わるような、絶対に達成できるだろうという目標から始め、それが達成できたら、次は2週間継続する、というように、少しずつ高く設定していくというものです。目標設定は、筋トレと似ていて、実際にやり遂げることによってやり遂げるための能力が少しずつ高まります。それを利用するというものです。

もう一つは、他の人との約束を利用するというものです。人間は社会的な生き物ですので、人の前で恥をかいたり、人との約束を破ったりすることを極端に避ける傾向があります。大きなプロジェクトを達成したい時には、締切や、契約、昇進・昇給など、社会的な約束を結び付けられるとうまく行く傾向があります。例えば、自分がよく使う例が、何かを勉強したいと思った時には、社内勉強会で勉強成果を発表する約束を先にしてしまうという方法です。発表する段階になって準備不足では恥をかくので、準備中は必然とそのプロジェクトの優先度が高くなり、達成できる可能性を上げることができます。